蛇足による諦めとそれによる巡り逢い。
昨日は出勤前に若干の余裕があった。
入りが遅かったのである。
こういう日に買い物しないといつまでも買えないので、
池袋パルコにでも寄って爽やかな靴を購入し、
やさぐれた今村という人間を少しでも爽やかにしてやろうという作戦に出た。
P'パルコの一階の靴屋さんで爽やか作戦をしようと決め、
豊島区役所前のバス停で降りる。
目当ての店に入ると、夏仕様の靴が沢山並べられていたが、
シンプルなデザインの中に編み込まれた革が付いていたり、
無駄にチェック柄のワンポイントが入っている、
などの所謂"大学生風"なものばかりであり、
30歳のおじさん予備軍には爽やかというよりも若作りに近いものであった。
確実に自らのショップセレクトミスにも関わらず、
最近の靴は蛇足ばかりだなぁ、と店のせいにしたばかりで無く、
微妙に絡まったダジャレを呟いたわけである。
出勤前に池袋に来ることはよくある。
家の近くのバス停から一本で着き、
池袋から渋谷に行くのも好都合だからである。
今回は靴を物色しに来たわけだが、
通例では、楽器屋で中古商品を物色してから出勤をする。
今回も例に漏れず、靴の物色が失敗に終わった後、
同じビルに入っているイシバシ楽器店に足を運んだ。
中古楽器はお店によって価格幅がかなり広く、
掘り出し物が多い店、見るだけの店、など僕の中で
多々語りたい事もあるのだが、それはまた別述させて戴きたい。
いつもは宛もなく楽器屋に寄る事が多いが、
今回は珍しく目的が合った。
壊れたワウペダルの部品を買うためである。
目当ての商品を手に取り、
レジにてパルコカードの入会を頑なに拒否し、
カード担当の女性との激闘の末、無事、パーツを購入。
さて、仕事へ向かうか。
と振り返ったその目線の先に、
中古特価!!
¥2,980
アコースティックギター
との文字。
安い、安すぎる。
通販のギターだろうか...。
子供向けの格安ブランドだろうか...。
いや、
よく見るとIbanezのアコギだ。
しかも結構なビンテージだ。
悩むこと2分強。
店員さんに試奏をお願いした。
この値段のギターを試奏するには勇気が居る。
恥ずかしさが溢れでた半笑いで
「すみません。」と言ったあの顔をポスターにしたいくらいだ。
ジャラーン!
鳴る。
これは鳴るなぁ。
出音のバランスもいい。
ちょっと弦高高くて弾きにくいけど、
調整したら充分なものになる。
これは久しぶりの巡り逢いだ。
店員さんに定価はどのくらいのものなのか聞くと、
「先日調べたのですが、古過ぎて分からないんですよ。」
との事。
うーむ。
悩む事5分。
「これ下さい。」
愛すべきギターがまた増えました。
大事にリペアさせて戴きます。
税込¥2,980
こういう出会いがあるから定期的な楽器屋巡りは楽しい。
靴買わなきゃなぁ。