イマムラワタルのブログ

水道橋Words代表今村航のブログ。

高校球児の食欲と休日出勤と真夏の太陽。

三連休の最終日、祝日だと言うのに相も変わらず最寄り駅まで向かう僕。
通勤定期をかざし、改札を抜け、ホーム、いつもと同じ乗り口で電車を待つ。

ベンチには高校球児であろう2人が座っていた。
どちらもがっしりとした体格の坊主頭で、
◯◯高校野球部と刺繍の入った
大きな白のエナメルバックを持っていたので間違いないだろう。

左に座っている少年は、コンビニおにぎり4つ分はあるであろう
まさに「お母さん特製!!」と謳われるおにぎりを貪っていた。

僕にもあんな時代があったなぁ。
とノスタルジーを感じていた矢先、目に飛び込んできたのは
右に座っている少年が持っている「おしゃぶり昆布」だった。

右少年は左少年が美味しそうに食べているおにぎりを見ながら
おしゃぶり昆布をちびちびと食べている。
なんとも羨ましそうにその瞳は、
じっと、おにぎりと左少年の口元を寂しそうに追っている。
左少年はもう手持ちの食べ物を食べてしまったのか、
そもそも持っていないのか、家まで我慢しているのか...。
どれにしても、おしゃぶり昆布を買うお金で何か違う物を買えたのではないだろうか。

まさか、おしゃぶり昆布を家から持ってきたのであろうか...。

駅のホームで夏の太陽を浴びながら僕は立ちすくんでいる。
日陰のベンチでおにぎりを貪る少年と
おしゃぶり昆布をちびちび食べている少年を目の前にして。

目当ての電車がホームに滑りこむ。
彼等の目当ての電車では無いようだ。
僕はそれに乗り込み、スライドしていく彼等を見ながら。

やっぱり電車のクーラーは寒いなぁ。やだやだ。
と思うのであった。