イマムラワタルのブログ

水道橋Words代表今村航のブログ。

真空管アンプ用 ダミーロードの製作

ブルウフロッグの活動が著しく減少してから、
ギターのお仕事をちょこちょこ戴いていたが、
アンプを持ち込む現場は数えるほどだったし、
宅録でもアンプリチューブ等のシミュレーターを使っていた為、
我がアンプ Marshall TSL100 を長らく自社スタジオに放置していた。

スタジオの機材も増えていっているのに
使わない物をいつまでも置いておくのも悪いと思い、
自宅へ持ち帰り、宅録でこのヘッドアンプを使ってみようじゃないか。
という遊びを思いついた。

さっそく自宅で使ってみたが、アンプシミュレーターとは少し違う音の近さや、
チューブ独特の歪みが程よく、持ち帰って正解だったという結論に至った。
ただ、録音後にアンプやエフェクターの調整をゼロから直せるシミュレーターの
メリットには勝てず、そこまでの使用頻度は無いかもしれない...。

TSL100にはキャノンアウトが付いていて、
outputをオフにするとパワー管がオフになる仕組みのようだ。
というよりもoutputをオフにしないとキャノンアウトからの出力を行わないようだった。
多分、(ギター入力→プリ管→キャノンアウト→パワー管→スピーカーアウト)
という構造になっていて、
ヘッドアンプのみを使って録音をする際にキャビネットを繋げなくてもパワー管と電源トランスにストレスを与えないようになっているのであろうと推測。

真空管パワーアンプは、キャビネットスピーカーに繋がずに使用すると破損してしまう構造になっているので、良く出来ているなと関心した。

でも、出力が2パターンあるのなら、スピーカーアウトからPCに入力する方は
どのような音の違いがあるのか試したくなるのがギタリストの性。

要するに、アンプからの出力125W、16Ωの信号を受け止めてくれる抵抗があれば
出力トランスや真空管に渦電流などの不具合無く使用できるのである。
それを俗に「ダミーロード、ダミーボックス」という様だ。

なにか良い機材が無いのか調べた所、



koch DB60-HOME ◆ Dummybox

このようなアッテネーターとダミーボックスが一緒になった物が売っていた。
だが、こちらさんは平均60W、最大100Wのダミーボックスの様なので、
僕のアンプ125Wでは壊れてしまう。

アッテネーターが欲しい訳では無いので、
安価で簡単なダミーロードだけが売っていないのか調べたのだが、
そういう物は売っていないらしい。
一つの機能でいいのに、要らない機能を搭載してお高く売っている商品ばかり。

色々検索をしていると同じ悩みを持った人々のブログというのも出てくるもので、
その方達は自作している様だった。
ならば私も自作すればいいじゃないかという結論に至り、

50W80Ωのメタルクラッド抵抗を5つ購入した。
こちらで購入。



アンプスピーカーアウト→DI→ダミーロード(この抵抗)
             ↓→オーディオインターフェイス

というように接続すればアンプからの逃げ道が出来る。
ダミーロードとは良く名付けたものだ。

単純にWは足していき、
Ωは R = 1 / (1 / R1 + 1 / R2 + 1 / R3 + 1 / R4 + 1 / R5)となるので、
これを繋げれば、250W 16Ωの抵抗になる。


この様な板に


抵抗を並べ、



木ねじで、


止めます。



ハンダ、コテを使って、


この配線で、



この様に繋げ、


端にジャックを付け、


完成!!


録音中はこんな感じでゴチャゴチャします。



時間が無くまだあまり遊べていないので、
出音はまたの機会で。