くちびるに歌を
「くちびるに歌を」
著者 : 中田永一
私、"乙一"さんという作家が大好きで、
発売している作品は全て読ませて戴いております。
今回紹介する、この中田永一さんという方は、
その乙一さんの別ペンネームなのです。
(以下、敬称略)
4年ぐらい前でしょうか、
この、中田永一の処女作「百瀬、こっちを向いて」が出版された頃、
ネットでは、中田永一は乙一なのでは無いか、
という論争が起こっておりました。
その時、私はまだ中田永一の作品を読んで無かったのもありますが、
文体や流れでそこまで個性を見い出せるものなのか、と
ファンの方々の素晴らしい感受性と洞察眼に感服致しました。
結果、乙一 = 中田永一 という事をご本人が認め、
この論争はイコールでした!と集結するのですが、
これはまた別のお話....。
この作品は、
2012年本屋大賞 第4位を受賞しているので、
定期的に本屋さんに行く方は、読んでいる方も多いでしょうね。
長崎の五島列島の中学校を舞台にしたお話です。
読んでいく毎に自分自身がその五島列島で生活をしているという
妄想に浸れる素晴らしい世界観です。
ピュアで切ない青春物語。
ベッタベタですが、まさにこれがぴったりです。
読み終わってしこりが残る事は絶対無いと思いますので、
是非読んでみてください。
本当に素晴らしい作品です。
内容まで深く掘り下げるのはナンセンスだと思いますので、
少しだけ公式のあらすじをご紹介。
---反転----
長崎県五島列島のある中学合唱部が物語の舞台。
合唱部顧問の松山先生は産休に入るため、中学時代の同級生で東京の音大に進んだ、
元神童で自称ニートの美しすぎる臨時教員・柏木に、
1年間の期限付きで合唱部の指導を依頼する。
それまでは、女子合唱部員しかいなかったが、
美人の柏木先生に魅せられ、男子生徒が多数入部。
ほどなくして練習にまじめに打ち込まない男子部員と女子部員の対立が激化する。
夏のNコン(NHK全国学校音楽コンクール)県大会出場に向け、
女子は、これまで通りの女子のみでのエントリーを強く望んだが、
柏木先生は、男子との混声での出場を決めてしまう。
一方で、柏木先生は、Nコンの課題曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」にちなみ、
十五年後の自分に向けて手紙を書くよう、部員たちに宿題を課していた。
提出は義務づけていなかったこともあり、彼らの書いた手紙には、
誰にもいえない、等身大の秘密が綴られていた--。
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私は、本を読む前に巻末などのあらすじを読むのが大嫌いなので、
あらすじを反転させて戴きました。
先程も言いましたが、
本当に素晴らしい作品です。
絶対読んでみて下さい。
読んで損をした!という方が居らっしゃったら、コメント下さい。
謝罪させて戴きます!